過去数回で紹介してきた1970年代から1980年代は、貴金属や石の作品があまり目立たない時代でした。それは無理からぬことだったのかもしれません。なぜならば「高価な素材を使った装飾品」であることは旧態依然とした宝飾業界を思い起こさせてしまい、新時代の芸術表現として認められるうえではハンデになってしまうからです。
その傾向がとりわけ強かったのはオランダです(詳しくは連載第5回を参照してください)。しかし、いくら新時代の芸術表現といえども「貴金属や宝石を使った装飾品」というジュエリーの基本的な性格を捨て去ることなどできるのでしょうか。ゴールドが敬遠された時代にもそのように考えた作家は存在しました。
そのひとりが以前にも一度紹介したロバート・シュミット(Robert Smit)(1941-)です。シュミットはしばらくの間、ジュエリー制作から離れていましたが、オランダでゴールド忌避の風潮がいまだ根強かった1985年にゴールドが主役の作品でカムバックしました。
素材的価値を最大限に引き出す、傷ひとつない完ぺきな仕上げと冴えわたる職人の技。ブランド スーパーコピー おすすめシュミットはゴールドにまつわるそんな既成概念を打ち破り、ペーパーワークをそのままゴールドに置きかえたかのような軽やかなジュエリーを発表しました。
同年には、同じくオランダの作家でゴールド嫌いの風潮を作った張本人のひとりでもあるハイス・バッカー(Gijs Bakker)(1942-)もゴールドとダイヤモンドを使った作品を作っています。バッカーの素材使いは皮肉な側面が強くはあるものの、ゴールドや装飾に憎悪といってもいいほどの強い反感を抱いていた彼がこれらを作品に取り入れたという事実そのものが、時代の変化を物語っています。